
【目標】県民のくらしや企業活動を支える鉄道網、道路網、港湾を整備し、利便性の向上を図り、交流を活発にします。
■現状と課題
鉄道やバスなどの公共交通は、地域の通勤・通学の足だけでなく、まちづくりや産業・観光を支える重要な交流基盤です。成田空港の利便性向上に向け、成田空港への更なる交通アクセスの改善や、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たって、県内を訪れた選手や観客が、ストレスを感じることなく移動できるよう、公共交通網の充実を図る必要があります。また、人口減少等の社会経済情勢の変化を受け、公共交通を取り巻く事業環境は厳しさを増していることから、地域にとって必要な鉄道・バスの維持・確保とともに、県民ニーズに合った効率的で利便性・安全性の高い公共交通網としていくことが求められています。
道路については、高規格幹線道路等や国道・県道の整備が着実に進められていますが、本県の道路ネットワークは量的にも質的にもいまだ不十分な状況です。全国や県内各地との交流や連携を強化し、県内外とのスムーズな人・モノの流れを生み出すためには、更なる広域的な幹線道路ネットワークの整備促進が必要です。
また、都市部や観光地における交通渋滞の改善、成田空港をはじめとする国際的な拠点へのアクセス性の向上、救急医療機関への移動時間の短縮や災害時における緊急輸送道路の確保などが喫緊の課題となっていることから、必要な道路を整備することなどにより、これらの課題を解決し、交通円滑化による生産性の向上や経済に好循環をもたらすストック効果を早期に発現させることが重要です。
さらに、アクアラインの料金引下げの継続は、圏央道の開通効果と相まって、物流の効率化、企業立地の促進、観光の振興が図られるなど、首都圏全体の経済の活性化に大きく貢献していることから、今後も、この効果を持続・拡大させていくことが必要です。
港湾については、国際物流における大量輸送のニーズや増大するクルーズ船需要への対応など戦略的な港湾利用の促進を行うとともに、にぎわいのある親水空間の創出が求められています。
■取組の基本方向
公共交通については、成田空港と都心・羽田空港間のアクセスの更なる改善を図るとともに、県内と都心とのアクセス利便性の向上等、交通網の充実・強化に向けた検討を進めます。また、事業者への経営支援等による鉄道・バス路線の維持・確保や、駅のバリアフリー化の推進など、利便性・安全性の向上に取り組みます。
道路については、県内外との交流・連携の強化に向けて、アクアラインと一体となって、首都圏の広域的な幹線道路ネットワークを形成する圏央道や外環道、東関東自動車道館山線・国道127号富津館山道路の4車線化、北千葉道路などの整備を促進します。あわせて、県内の更に多くの地域からおおむね1時間で県都千葉市に到着できるよう、県都1時間構想に資する道路網の整備を進めるとともに、これら広域的な幹線道路ネットワークのストック効果を県内各地へ波及させるため、地域高規格道路や国道・県道の整備を進めます。
また、既存の広域的な幹線道路ネットワークの有効活用を図るため、首都圏に大きな経済効果をもたらしている「アクアライン割引」(ETC普通車800円)を継続するとともに、圏央道への追加インターチェンジの整備を進め、道路ネットワークの有効活用により地域経済の活性化を図ります。
さらに、港湾については、大型船舶に対応した岸壁の整備や官民一体となった戦略的なポートセールスを行うとともに、魅力ある海辺空間の整備を進めます。
■主な取組
1 公共交通網の充実・確保
成田空港利用者の利便性や、都心から成田空港へのアクセスの向上を図るため、成田スカイアクセス等を活用して成田空港と都心・羽田空港を結ぶ「都心直結線」について、
国の検討・調査が早期に進むよう協力していきます。また、都心へのアクセス強化及び2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場間の移動の利便性向上のため、JR京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線との相互直通運転の早期実現に向け、関係者間で協議してまいります。このほか、国の交通政策審議会の答申に位置付けられた本県関係路線について、整備促進のため地元自治体等と連携して取り組んでいきます。
また、沿線住民をはじめとする鉄道利用者のため、市町村等の関係機関と連携し、鉄道事業者に対して、経営の安定化や安全性向上等を図るための支援を行うとともに、運行ダイヤの改善など利便性の向上や安全対策の徹底について働きかけるなど、鉄道網のより一層の充実・強化を図ります。さらに、地域の関係者と共に、生活交通に必要なバス路線の維持・確保に取り組みます。
・都心直結線の整備に向けた協力(再掲)
・JR京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線の相互直通運転化の促進
・京葉線の輸送力増強の促進
・東京8・11号線の整備促進の調整
・つくばエクスプレスの利便性向上に向けた検討
・交通政策審議会答申路線の整備促進
・東葉高速鉄道株式会社に対する支援
・北総鉄道沿線の活性化の促進
・いすみ鉄道の基盤維持に対する支援
・中小鉄道の安全性向上に対する支援
・鉄道駅バリアフリー設備の整備支援(再掲)
・ノンステップバスの整備支援(再掲)
・地方バス路線の維持・確保に対する支援


鉄道路線図
全国や県内各地との交流や連携、スムーズな人・モノの流れの強化を目指し、圏央道、外環道、東関東自動車道館山線・国道127号富津館山道路の4車線化、北千葉道路など高規格幹線道路等の整備を促進するとともに圏央道への追加インターチェンジの整備、京葉道路や国道357号などの機能強化を促進します。
また、高規格幹線道路等の整備効果を県内各地に波及させるため、銚子連絡道路、長生グリーンライン、千葉東沿岸地域を結ぶ地域高規格道路や高速道路のインターチェンジにアクセスする国道296号、国道297号、国道356号、国道410号、県道成田小見川鹿島港線及び県道船橋行徳線、都市間を結ぶ県道越谷流山線などの国道・県道のバイパス・現道拡幅の整備を推進します。
さらに、県道市原茂原線など主要な渋滞箇所の交通円滑化対策をはじめ、県道市原天津小湊線や県道鴨川保田線、県道下総橘停車場東城線、県道茂原白子線など、主要な観光地にアクセスする道路などについても整備を推進します。
そして、既存の広域的な幹線道路ネットワークの有効活用を図るため、首都圏に大きな経済効果をもたらしている「アクアライン割引」の継続を国に働きかけます。
・高規格幹線道路等の整備促進
・国道及び県道のバイパス・現道拡幅の整備推進
・観光地へのアクセスを強化する道路の整備推進
・アクアラインの料金引下げの継続
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千葉県道路網図
3 港湾の整備・振興
港湾は、生活と産業を支える重要な社会基盤です。そのため、物流機能の充実・強化を図るため、大型船舶に対応した岸壁の配置や規模を港湾計画に位置付け、整備を進めるとともに、港湾の利用促進を図るため、港湾の運送事業者、船会社、県内経済団体等と連携し、官民一体となった戦略的なポートセールスに継続的に取り組みます。
また、千葉港、木更津港及び館山港においては、まちづくり事業と連携し、港湾緑地や緑地プロムナード、地域の賑わいの拠点となる旅客船ふ頭やクルーズ船受入環境の整備を促進します。
・大型船舶に対応した整備促進
・港湾緑地・緑地プロムナード・旅客船ふ頭やクルーズ船受入環境の整備
・ポートセールスの推進



