②緑豊かで活力ある農山漁村づくりの推進

【目標】都市と農山漁村の交流を促進し、地域が一体となった農山漁村の活性化を図ります。

■現状と課題

 本県の農山漁村は、首都圏に位置しながら食料供給の拠点であるばかりではなく、国土の保全、農地・森林・干潟などの自然環境の保全、良好な景観の形成、伝統文化の継承など、かけがえのない多くの役割を果たしています。さらに本県の特徴として、県人口が集中している東葛、湾岸ゾーンにおいて園芸作物を中心とした都市農業が盛んであることが挙げられます。

 また、全国一の数を誇る農産物直売所や農林漁業体験施設等は、県民が農山漁村の魅力に直接ふれ合い、本県に親しみ、農林水産業への理解を深めることができる貴重な場となっています。

 しかしながら、農山漁村の人口減少や高齢化の進展による集落機能の低下、耕作放棄地や森林の荒廃、藻場・干潟の減少、さらに、イノシシなどの有害鳥獣による農作物等への被害拡大のみならず、生活圏への影響も出つつあるなど、数多くの課題を抱えています。

 このような中、農林水産業の生産活動を維持し、緑豊かで活力のある農山漁村を実現し、農山漁村の多面的機能を維持・発揮するためには、生産の担い手のみならず、多様な地域資源を活用した都市住民との交流のしくみづくりや、農道・水路など農業生産活動の基礎となる施設の維持管理を集落全体で推進することが必要です。

■取組の基本方向

 地域資源を活用し、直売所や加工所、農家レストラン、体験農園や潮干狩り、県民の森などの農林漁業体験施設でのグリーン・ブルーツーリズムなど、魅力ある本県の農山漁村に多くの国内外の来訪者がふれ合える機会を提供することにより農山漁村の活性化を目指すとともに、都市農業については、都市農業振興地方計画を策定し、地域住民の農業への理解の醸成や都市農地の保全に努めます。

 また、農林水産業の生産活動等が継続できるよう、多様な人々の参画による地域資源の保全活動等を支援し、農山漁村の多面的機能の維持・発揮を目指します。

 さらに、耕作放棄地の発生防止のため、地域の中心経営体等の活動を支援するとともに、野生鳥獣による農作物等への被害対策として、防護柵及び捕獲用ワナの設置や捕獲したイノシシ等を資源として有効活用するなど、集落ぐるみの取組を総合的に推進します。

 加えて、農道と農業水利施設などの適切な保全管理について、地域が一体となって取り組み、美しい景観が保たれた、住民が快適に過ごせる豊かな農山漁村の実現を図ります。

6次産業化による開発商品

落花生ペースト
自家製生乳を使ったスイーツ

■主な取組

1 地域資源を活用した農山漁村の活性化

 緑豊かな景観や伝統料理、伝統芸能など豊富な地域資源を有する農山漁村の魅力を発見、PRするとともに、首都圏に位置する立地の優位性を最大限活用し、本県を訪れる都市住民や外国人観光客等に、健康増進や憩いの場を提供する体験農園、野菜・果実狩り、潮干狩り、森林と親しめる県民の森などの農林漁業体験を通じて地域住民と交流するグリーン・ブルーツーリズムの促進や、特色のある地域資源の活用と高齢者などが生き生きと働くことができる魅力ある地域づくりにより、都市との交流による農山漁村の活性化を図ります。

 また、都市と農山漁村の共生・対流を一層促進させるため、地場産品の販売拠点である農林水産物の直売所や加工所、農家レストランの情報を発信するとともに、多様な都市住民のニーズを踏まえた地産地消の推進や、農山漁村ならではの伝統的な生活の体験や地域に根ざした人々との交流を楽しむ農泊の推進などを通じ、生産者と消費者との信頼関係を構築する「食」と「農林水産業」への相互理解を促進します。

 さらに、農山漁村に豊富に存在する間伐材などのバイオマス資源の有効活用や再生可能エネルギーの導入支援などにより、農山漁村の活性化を図ります。

・グリーン・ブルーツーリズムの推進

・6次産業化・農商工連携の推進(再掲)

・県民の森の利用推進

・食と農のつながりを伝える食育の推進

・バイオマスの利活用の推進(再掲)

農林水産物直売所
いちご狩り
ぶどう狩り
漁業体験 観光地曳網
県民の森 ロッジ村

2 多様な人々の参画による農山漁村の多面的機能の維持・発揮

 農山漁村の過疎化や高齢化の進展に伴い集落機能が低下する中、農道、水路などの地域資源の適切な保全管理が困難となり、地域の中心経営体の維持管理の負担が増大しています。このため、農業者をはじめ地域住民の参画した、地域資源の保全活動や質的向上を図る共同活動を支援し、地域の中心経営体への負担軽減を図るほか、農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を目指します。

 また、放置された竹の侵入や不十分な管理により荒廃した森林が増加していることから、企業や里山活動団体など、多様な人々による竹の除去や間伐を中心とした森林整備活動を促進するとともに、間伐材などの有効活用を推進し、県土保全や水源かん養など森林の有する様々な公益的機能を発揮させます。

 漁村においても、藻場・干潟等の保全や海難救助等の漁村の有する多面的機能の発揮に支障が生じていることから、地域住民等とともに漁業者が行う多面的機能の効果的・効率的な発揮をするための取組を支援することにより、水産業の再生・漁村の活性化を図っていきます。

 これらの多様な人々の参画により、農山漁村が有する県土や自然環境の保全、水源かん養、景観形成などの多面的機能を向上させることで、農山漁村の住民が生き生きと暮らせる地域づくりを目指します。

・農地等の保全、森林再生や漁場改善

農地維持活動による水路の泥上げ
農地維持活動による水路の除草
干潟漁場の環境改善のため、増えすぎたアオサを除去

耕作放棄地と有害鳥獣被害への対策強化

 耕作放棄地の発生や有害鳥獣による農作物の被害の拡大は、農村環境の悪化ばかりでなく、生産者の生産意欲を減退させていることから、これらを一体的な課題と捉え、農業者個人だけでなく、集落や関係機関・関係団体が連携した地域ぐるみの取組となるよう対策を強化します。

 農業者の減少・高齢化や担い手の偏在などにより毎年新たに発生する耕作放棄地については、その解消はもちろんのこと、発生を未然に防ぐことが重要であることから、地域ぐるみでの発生抑制への取組、地域の立地条件に応じた基盤整備、担い手への集積による農地の有効利用を促進するとともに、地域の中心経営体等による耕作放棄地の発生防止・再生活動を支援するほか、耕作放棄地を再生し、露地野菜や飼料作物の生産拡大に取り組む農家への支援を行います。

 年々増加傾向にある有害鳥獣被害の対策については、千葉県野生鳥獣対策本部を中心として取り組むこととし、防護については市町村等で構成する「対策協議会」が実施する侵入防止柵の設置や箱わななど捕獲機材の購入等に対して助成を行うほか、地域の中心となって活動するリーダーの育成を行います。

 また、捕獲体制の整備として市町村ごとに有害鳥獣の捕獲等を適切かつ効果的に行うことのできる「鳥獣被害対策実施隊」の設置を推進します。

 さらに資源活用については、イノシシ捕獲後の処理に係る手続きの簡素化を図り、シカも含め、飲食店と連携したフェアを実施するなど、新たな観光資源「房総ジビエ」として普及させ、地域の活性化を図ります。

 加えて、有害鳥獣が農地や集落へ出現しにくい環境を整備する生息環境管理が重要なことから、地域ぐるみで出現情報や先進事例を共有し、被害軽減に対する取組への理解を促進するとともに、畑に放置された野菜などの撤去、棲み処となる耕作放棄地や竹藪の刈り払い、放牧など、地域住民自らが主体となった取組を支援します。

・耕作放棄地の発生防止及び再生に対する支援(再掲)

・防護・捕獲・生息環境管理対策の推進

・房総ジビエなど有害鳥獣の有効利用推進

・生息状況調査の実施(再掲)

・市町村による防除・捕獲への支援(再掲)

・県による捕獲の実施(再掲)

・鳥獣捕獲の担い手の確保・育成(再掲)

耕作放棄地と有害鳥獣被害 への対策強化
イノシシ被害防止のための防護柵を設置

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