【目標】県民や関係団体、市町村などと連携して、「ちば文化」に親しめる環境をつくるとともに、「ちば文化」を継承し、新たな「ちば文化」を創造します。県民の千葉県に対する愛着や誇りを育みます。
■現状と課題
文化芸術は、県民が真にゆとりと潤いを実感できる心豊かな生活を実現していく上で、欠かせないものであり、教育、地域づくり、産業など社会のあらゆる分野と関わり、地域社会の発展と県民の活力を高めていく貴重な財産です。
また、東日本大震災の発生後、文化芸術が心の支えとなり、地域コミュニティ再生のきっかけとなるなど、文化芸術の果たす役割の重要性が再認識されました。
国の文化施策としても、平成24年6月の「劇場、音楽堂の活性化に関する法律」の施行、平成27年5月の「文化振興に関する基本的な方針」の閣議決定がされ、社会を挙げて文化芸術を振興していく機運が高まっています。
また、平成27年11月の「2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」においても、日本の多様な文化を通じて日本全国で大会の開催に向けた機運を醸成し、日本文化の魅力を世界に発することとしています。
こうした中で、本県においては、少子化等の社会背景による地域の芸術や祭りの担い手不足の解消、観光や産業などの関係機関の一層の連携、文化資源を活用した地域づくりや、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を契機とした文化振興施策の推進が課題となっています。
■取組の基本方向
障害の有無や年齢、性別にかかわらずあらゆる人々が文化芸術を享受するために、美術館や博物館、劇場、音楽堂等様々な場での機会の提供や学校教育における文化芸術活動の充実など、文化芸術にふれ親しむ環境づくりを行うとともに、地域の伝統文化が次世代へ継承され、地域活性化につながる取組を行います。
また、関係機関や幅広い分野との連携を強化し、文化芸術を生かしたまちづくりや観光・産業等様々な分野での文化芸術の活用を推進します。
さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を文化振興施策の一層の推進の契機とし、大会終了後もレガシーとして残るように、様々な取組を通して、心豊かに暮らすことができ、活力ある地域社会をつくることを目指します。
■主な取組
1 文化芸術を鑑賞・参加・創造する環境づくり
いつでもどこでも誰でも等しく文化芸術を鑑賞し、参加し、創造することができるよう、文化芸術団体が行う活動に県民の一層の参加を促すとともに、文化芸術団体等と連携し、文化芸術にふれ親しむ様々な機会を提供していきます。
また、千葉交響楽団を活用した学校教育における文化芸術活動の充実や、高齢者・障害のある人等を対象とした文化芸術団体による出張コンサートやイベントなどの実施により、子どもたちや障害のある人等が、文化芸術にふれ親しむことができるような機会を充実させます。
・県民の自主的な文化芸術活動の促進
・様々な場における文化芸術にふれ親しむ機会の提供
・子どもたちの文化芸術活動の充実
・高齢者・障害のある人等の文化芸術活動の充実


2 地域文化の保存・継承・活用による地域づくり
少子化等の社会背景により存続が懸念される地域の伝統文化を保存・継承していくため、県民に伝統文化を身近に感じてもらう機会を提供するとともに、郷土芸能・伝統技術を取り巻く地域の関係者・関係機関との交流や意見交換を行うなど、伝統文化の保存・継承・担い手の育成を図ります。
また、文化財の保存整備の支援や文化的景観等の保全・活用を進めるとともに、日本遺産認定への取組など、ちばの文化資源を活用し、地域の活性化につなげていきます。
・伝統文化にふれる機会の提供
・伝統文化の保存・継承・担い手の育成
・文化財の保存整備の支援
・文化的景観等の保全・活用
・文化資源の活用と地域の活性化
3 ちば文化の多様性と発信力強化による新たな価値の創出
多様な「ちば文化」の魅力を引き出し、県内外に発信するため、若者の団体等が行う創造的な文化芸術活動をはじめとした、これまでの文化の概念にとらわれない多様な文化の発展を支援するとともに、県ホームページの活用や市町村等との連携による「ちば文化」の魅力の発掘と情報の収集・提供を行います。
また、千葉・県民芸術祭や県民の日行事等の様々な機会を利用し、「ちば文化」の魅力を発信する文化事業を充実させます。
・多様な文化の発展
・「ちば文化」の魅力の発掘と情報の収集・提供
・「ちば文化」の魅力を発信する文化事業の充実
・市町村・企業等と連携した県民の日に係る事業の展開

4 ちば文化の総合的な推進のための支援・連携体制の構築
「ちば文化」を支える人を育て、未来につなぐため、文化芸術に携わる人づくりの促進や文化のネットワークの構築に取り組みます。
また、本県では様々な団体が文化芸術活動を展開しており、こうした団体との交流を進めることで県民の文化芸術活動がより活性化するものと考えられることから、団体との共催事業の開催や情報提供などにより、多様な支援体制の構築を図ります。
さらに、文化振興のための体制の整備として、県民の文化芸術活動や学習活動の支援機能を充実させることで、文化発信拠点となる文化施設の機能充実と文化芸術団体や市町村等との連携強化を図ります。
・「ちば文化」を担う人づくりの促進
・>文化のネットワークの構築
・多様な支援体制の構築
・文化発信拠点としての文化施設等の機能の充実
5 東京オリンピック・パラリンピックを契機としたちばの文化力向上
本県の文化的魅力を県内外に発信し、県内の文化振興及び地域活性化を図るため、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会における文化プログラム関連イベントを、観光等の様々な分野において市町村や文化芸術団体、市民活動団体、大学等と連携して実施します。
また、障害のある人、高齢者、青少年、外国人等、国内外のあらゆる人々が観るだけではなく、文化の担い手として参加・交流できる文化事業を実施するとともに、実施に当たり構築したネットワークやノウハウ等を資源とし、活用することで、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会後の本県の文化芸術活動及び地域の継続的な活性化につなげます。
・新しい文化と古くからの文化が織りなす「ちば文化」の世界への発信
・障害のある人、高齢者、青少年、外国人等、国内外のあらゆる人々が参加・交流できる機会の創出
・観光等様々な分野との連携による文化資源の活用
・文化プログラム関連イベントの実施により得られた資源の活用
