①増大する医療ニーズに対応した安心で質の高い医療サービスの提供

【目標】増大する医療ニーズに対応し、県民が安心して良質な医療を効率的に受けられる体制を整備します。

■現状と課題

 団塊の世代が全て後期高齢者となる平成37年(2025年)には、本県の75歳以上の人口は100万人を超えると予測され、増大する医療ニーズに対応できる地域の医療提供体制の構築が緊急の課題となっています。

 こうした中、県では、地域の医療提供体制の将来の目指すべき姿である「地域医療構想」を「千葉県保健医療計画」の一部として平成28年3月に策定しました。

 本構想の実現に向けて、地域の医療ニーズに対応した病床機能の役割分担と連携を促進するとともに、介護との連携を構築し、患者が退院後も必要な医療・介護サービスを受けられるよう、在宅医療の仕組みづくりが必要です。安心して自分らしくいられる自宅等で最期を迎えることを望む県民は多く、在宅医療の推進は、県民の希望を実現するためにも重要です。

 また、本県では、医師・看護師確保対策として、修学資金の貸付け、看護師等養成所の設置・運営支援、病院内保育所の運営支援などの取組を進めてきましたが、人口当たりの病院数(病床数)や医師・看護師などの医療従事者数は全国平均を下回っており、地域や診療科によって医師の配置に差があるなど、本県の医療を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあります。

 そのため、医師・看護師などの医療従事者の確保・定着対策を引き続き推進することが課題となっています。

 さらに、急速な高齢化に伴い、脳卒中、急性心筋梗塞及び転倒等の外傷などによる救急医療の増加が見込まれ、この傾向は今後も一層強まることが予想されることから、救急医療体制の強化を図るとともに、地域医療の中心的な役割を果たしている自治体病院への支援を行うなど、医療サービス基盤の整備を進める必要があります。

■取組の基本方向

 地域医療構想で定めた千葉県が目指すべき医療提供体制を実現するための施策として、地域の医療関係者等との協議を行いながら、医療機関の役割分担や連携の促進、地域包括ケアシステムの実現に向け重要な役割を担う在宅医療の推進等に取り組みます。

 また、地域に必要な医療の安定的な提供を図るため、医師・看護師などの確保・定着促進対策や看護師等の再就業促進対策を充実させます。

 さらに、救急医療、周産期医療の体制などの整備に努めるとともに、自治体病院への支援の推進、県立病院の充実・強化を図り、住み慣れた地域で安心して質の高い医療が受けられる体制の構築を進めます。

■主な取組

1 医療機関の役割分担と連携の促進

 急性期から回復期、在宅に至るまでの「循環型地域医療連携システム」を推進し、県民が地域において、病状に応じ最も適切な医療機関を利用できる医療連携体制の構築を進めます。そのため、地域の医療関係者等による協議の場の設置や、将来不足の見込まれる病床機能への転換に対する支援などを行い、医療機関の適切な役割分担や連携を促進します。

 また、地域の中核を担う医療機関や、小児・周産期・がん等の先進・高度・特殊医療機能を有する医療機関の病床機能を明確化し、機能強化や連携体制の構築を図ります。

 さらに、県民が自身に合った適切な医療機関を受診するためには、医療機関の役割分担・連携の重要性や、かかりつけ医等の必要性について理解を深めることも重要であり、市町村、医療保険者、医療機関等と相互に連携・協力しながら県民への啓発を進めます。あわせて、病院や診療所等の有する機能に関する情報をインターネット上で分かりやすく提供します。

・地域医療構想を踏まえた病床機能の分化や連携の推進

・地域の中核的医療機能や特殊医療機能を担う医療機関の強化・連携の促進

・医療機関の役割分担・連携の重要性等に関する県民啓発

・かかりつけ医等の周知、定着促進

・「ちば医療なび」による医療情報等の提供

循環型地域医療連携システム

2 在宅医療の充実

 在宅医療を支える診療所や訪問看護ステーション、それに関わる医療従事者が不足しているため、これらの医療資源の増加、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の一層のスキルアップ等に重点的に取り組みます。

 また、患者、利用者の視点に立って、切れ目なく包括的な医療・介護を提供するために、地域医療連携パスなどを活用した医療・介護に係る多職種の連携や、急変時に速やかに入院できる医療連携を促進します。

 さらに、在宅医療を支える「かかりつけ医」「かかりつけ歯科医」「かかりつけ薬剤師・薬局」の周知や定着促進を図るとともに、希望すれば自宅や住み慣れた地域で最期まで自分らしく生きることができる環境づくりを進めます。

・訪問診療、訪問歯科診療、訪問薬剤管理指導、訪問看護など在宅医療提供体制の整備促進

・患者が望む場所で看取りができる環境づくりと県民理解の促進

・切れ目のない在宅ケアサービスの提供に係る医療と介護の連携体制の構築支援

・在宅歯科診療の実施に必要な設備整備や在宅歯科医療連携室の設置

・訪問看護ステーションの大規模化等の支援

・地域リハビリテーションの推進

・かかりつけ医等の周知、定着促進(再掲)

自宅での訪問診療の様子
人生の最終段階における医療等に関する啓発用ポスター

3 医師・看護職員確保・定着対策と地域医療格差解消に向けた取組の推進

 医師の不足や地域偏在を改善し、誰もがどこでも安心して医療が受けられる体制の構築に向け、医学生への修学資金の貸付け、医師のキャリアアップ支援と県内医療機関への就職支援、就労環境の改善支援や医師が不足する自治体病院への医師派遣を行うとともに、県内の大学医学部と連携し、医師の確保と定着促進を図ります。

 また、診療科偏在についても、医師確保への支援や医療機関への助成等により、その解消に努めます。

 さらに、看護職員の不足を解消するため、看護師養成力の拡充強化、就労環境の改善支援等により、看護職員の確保と定着促進及び再就業促進を図るとともに、看護職員の資質の向上や、在宅医療ニーズの高まりに対応する訪問看護師の育成を図ります。

・医学生・看護学生への修学資金の貸与

・医療技術研修や地域医療セミナーの開催及び臨床研修や就業に関する相談支援

・産科医等の処遇改善支援

・医師が不足する自治体病院への医師派遣

・県内の大学医学部との連携

・小児救急医療拠点病院の支援(再掲)

・看護師等養成所の支援

・病院内保育所の運営支援

・看護職員の再就業の促進と確保

・看護職員に対する研修の実施

・訪問看護師育成の推進

・保健医療大学における時代のニーズに合わせた人材育成及び機能充実についての検討

看護実習の様子

4 救急医療体制の整備

 心筋梗塞、脳卒中、頭部損傷等の重篤救急患者の救命医療を行うことを目的に、24時間応需体制の救命救急センターを整備していますが、引き続き、救命救急センターの施設・機能の充実・強化及び運営の円滑化を図るとともに、人口規模の多い保健医療圏については、更なる救命救急センターの設置の検討を行います。

 また、「千葉県AEDの使用及び心肺蘇生法の実施の促進に関する条例」が施行されたことに伴い、基本計画を策定し、学校における心肺蘇生法の実施等に関する実習を行うなど、より多くの県民に理解してもらうため、普及促進を図ります。

・ドクターヘリの運営

・救命救急センター(24時間応需体制)の支援

・新たな救命救急センターの設置に向けた検討

・AED (自動体外式除細動器)及び心肺蘇生法の普及促進

5 周産期及び小児救急医療体制の整備

 分娩リスクの高い妊娠や高度な新生児医療等に対応できる医療施設として、周産期母子医療センターを指定・認定していますが、妊婦の搬送については、母体搬送ネットワーク体制を整備し、分娩リスクが伴う場合に速やかに対応できるよう取り組むとともに、母体の県域を越えた救急搬送を実施します。

 また、保護者の不安の解消や救急医療機関への患者集中の緩和を図るため、小児電話相談を実施するなど、周産期及び小児救急医療体制における体制整備を進めます。

・周産期母子医療センターの支援

・新たな周産期母子医療センターの設置に向けた検討

・母体搬送コーディネート体制(24時間・365日体制)の確保

・母体の県域を越えた緊急搬送の実施

・小児救急医療拠点病院の支援

・小児救急医療に係る夜間・休日診療所運営の支援

・小児救急電話相談の実施

小児救急電話相談

6 自治体病院への支援

 自治体病院の経営状況などについて定期的な実態把握を行い、それを踏まえて経営改善などの支援を行います。

 また、医師が不足する自治体病院への医師派遣、自治体病院の役割分担に基づく機能再編や他の医療機関との連携推進を支援します。

・自治体が行う医療施設整備に対する支援

・医師が不足する自治体病院への医師派遣(再掲)

7 県立病院の施設整備の推進と良質な医療サービス提供体制の充実強化

 高度専門医療や中核的な地域医療を担う県立病院における、より一層質の高い医療の安定的な提供と、医療の安全と患者の安心を最優先に患者の視点に立ったサービスの向上のため、施設整備や最新の医療機器の充実、医療人材の確保・育成や災害医療の強化に取り組むとともに、更なる経営基盤の強化を図ります。

・安全・安心な質の高い医療

・がんセンターの施設整備

・救急医療センター・精神科医療センター等の一体的整備

・佐原病院の耐震改修

・千葉リハビリテーションセンターの施設整備

・安全で質の高い医療提供のための医療機器や施設等の充実

・勤務環境改善や研修等の充実による人材確保及び育成

・ハード・ソフト両面における災害医療の強化

千葉県がんセンター新棟オープン予定
県立病院におけるレジデント(研修医)指導

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