①犯罪の起こりにくい、安全で安心して暮らせる社会の構築

【目標】犯罪の起こりにくい安全で安心な地域社会をつくります。

■現状と課題

 県内の刑法犯認知件数が、平成15年以降14年連続で減少するなど、治安が回復傾向にある中で、侵入窃盗・自動車盗などの悪質な窃盗犯や高齢者を狙った電話de詐欺など、県民の身近で発生する犯罪が後を絶ちません。また、重大な人権侵害であり、殺人事件などの凶悪犯罪に発展するケースもあるDV・ストーカー事案に加え、SNSを利用した脅迫事件、インターネットバンキングを利用したサイバー犯罪など、情報通信技術の進展とともに新たな形の犯罪も発生しているほか、世界各地でテロが発生し、我が国においてもその脅威が現実のものとなるなど、県民の安全・安心が脅かされています。

 さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて訪日外国人等が急増しており、これらの外国人が安全・安心を実感できるような環境の整備に努める必要があります。

 こうした中で、千葉県の警察官一人当たりの人口負担率及び犯罪負担率は、全国でもワースト上位の状況にあり、誰もが安全で安心して暮らせる犯罪の起こりにくいまちづくりを推進するためには、県民一人ひとりの防犯意識の高揚と主体的な取組も求められています。

■取組の基本方向

 安全で安心な地域社会を実現するためには、犯罪を未然に防ぐことが何よりも重要です。このため、地域住民や関係機関・団体と連携して、地域ごとの犯罪情勢に即した犯罪抑止対策を推進します。特に、市町村、自治会等による防犯カメラの設置促進に向けた支援や積極的な犯罪発生情報の発信により、地域の防犯力の向上を図ります。

 また、警察活動の基盤を強化し、犯罪を徹底して検挙するとともに、子ども・女性・高齢者を守る取組や官民一体となったテロの未然防止対策を推進するなど、県民の安全で安心できる生活を確保していきます。

 さらに、外国人からの事件・事故等の届出などに迅速かつ的確に対応するための取組を推進するほか、犯罪被害に遭った人が、早期に立ち直り、平穏な生活を営めるよう支援体制を充実させます。

地域の安全を守る交番

■主な取組

1 地域の防犯力の向上

 地域の防犯力を強化し、県民が安心して暮らせる地域づくりを進めるため、市町村が主体となり、地域の実情に沿って設置する防犯ボックス事業への支援を行います。

 また、地域の犯罪抑止につなげるため、自主防犯団体の活動に必要な防犯ベストや青色回転灯装着車両に装着するドライブレコーダーなどのパトロール資機材の整備を促進するとともに、次世代を担う学生等のヤング防犯ボランティアへの支援や地域防犯力の向上に関する交流大会を開催することにより、地域の防犯活動の活性化を図ります。

・防犯ボックス設置の促進

・自主防犯団体の活動の促進

・ヤング防犯ボランティアへの支援

・地域防犯力の向上に関する交流大会の開催

地域防犯力の向上に関する交流大会
防犯パトロール

2 自主防犯意識の醸成

 県民が安全と安心を実感できる社会を構築するため、県、警察、市町村、自主防犯団体等が連携し、地域住民の身近で発生する犯罪の防止に向けた広報啓発活動を推進します。

 特に、電話de詐欺の撲滅に向けては、電話de詐欺・悪質商法被害抑止コールセンターによる注意喚起の実施や県警ホームページ等を活用した広報啓発活動を推進するほか、相談専用ダイヤルを運用し、県民が被害に遭わないよう適切な助言を行います。

 また、電話de詐欺に少年を加担させないための啓発活動にも取り組みます。

 さらに、安全で安心なまちづくり旬間(10月11日から10月20日まで)における「地域防犯ボランティア県民大会」の実施や「警察ふれあいフェスタ」の開催により、広く県民の自主防犯意識の高揚を図ります。

・地域住民の身近で発生する犯罪を防止するための広報啓発活動の推進

・「電話de詐欺」撲滅のための広報啓発活動の推進

・電話de詐欺・悪質商法被害抑止コールセンターによる県民への注意喚起の実施

・電話de詐欺(振り込め詐欺)相談専用ダイヤルの運用

・県警ホームページ等を活用した効果的な広報の推進

・安全で安心なまちづくり旬間における広報啓発活動の推進

・「警察ふれあいフェスタ」の開催

・被害防止教育及び啓発活動の推進

警察ふれあいフェスタ
よくし隊レディ「あおぼーし」による犯罪被害防止キャンペーン

 3 犯罪の起こりにくい環境づくり

 県民・地域団体・事業者等が連携して安全で安心なまちをつくるため、千葉県安全安心まちづくり推進協議会を開催するとともに、ちば安全・安心メール、犯罪発生マップ等を活用して、犯罪発生情報や防犯情報などを積極的に発信するほか、県内の繁華街・歓楽街を誰でも楽しめるよう歓楽街総合対策を推進します。

 また、道路などの生活空間での犯罪を防止するため、市町村が行う防犯カメラ設置事業に対する補助をはじめ、商店街、自治会等による防犯カメラの設置に向けた支援を行います。   

 さらに、移動交番車を人口増加地域や事件・事故が多発している地域で活用し、街頭活動を強化するなどして警察力の不足を補うとともに、子どもの見守り活動や地域住民・防犯ボランティア等と協働した合同パトロールなどを行うことで、犯罪の起こりにくい環境づくりを推進します。 

・千葉県安全安心まちづくり推進協議会の総会、万引き防止対策部会及び高齢者の安全・安心対策部会の開催

・歓楽街総合対策の推進

・市町村、商店街、自治会等への防犯カメラの設置に向けた支援

・ちば安全・安心メール等によるタイムリーな情報発信

・犯罪発生マップ等による情報の提供

・移動交番車の追加配備による活動の強化及び東京オリンピック・パラリンピックでの効果的な活用

移動交番車の開設

4 警察基盤の整備

 警察力を強化し、現状の治安課題に的確に対処するため、引き続き、国に対して警察官の増員を要求していくとともに、多様かつ広範な警察業務に対応するための各種教養・訓練の実施や女性警察官の採用・登用の拡大を推進して、人的基盤の一層の強化を図ります。

 さらに、110番通報に迅速かつ的確に対処するための通信指令機能の充実や通信指令を担う人材の育成に取り組むほか、防犯・防災の拠点である警察庁舎と地域生活の安全を守る交番及び駐在所の計画的な建て替え・整備を進めるとともに、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、治安対策や交通対策に必要となる各種装備資機材を整備します。

・国に対する警察官増員の要求

・警察活動を支える非常勤職員の活用

・女性警察官の採用・登用の拡大

・訓練基盤の整備

・通信指令機能の強化

・警察署・交番・駐在所の計画的な整備

・交番・駐在所ネットワークシステムの構築

・東京オリンピック・パラリンピックに向けた装備資機材の整備

香取警察署多古幹部交番
通信指令機能の強化
活躍する女性交通鑑識員

5 急増する訪日外国人等への対応

 訪日外国人が急増する中、日本語を解さない外国人からの事件・事故等の届出などに迅速かつ的確に対応するため、コミュニケ-ション支援ツールの活用・充実を図るほか、通訳人材の確保や警察職員の語学能力の向上に取り組みます。

 また、警察に係る制度や手続に関して外国人向けの資料を作成するほか、外国語による防犯・防災情報の提供や交通安全指導の実施などにより、外国人が警察に関する情報を容易に入手できる環境の整備を図ります。

・コミュニケーション支援ツールの活用等による適切な対応の推進

・警察に係る制度、手続等の分かりやすさの確保

・通訳人材の確保等による基盤の整備

・外国人集住地域総合対策の推進

英語による防犯広報誌
中国語による交通事故防止広報誌
職員に対する英会話教養

6 官民一体となったテロ対策の推進

 世界各地でテロが発生し、我が国に対する国際テロの脅威が現実のものとなるとともに、滑走路の増設を含む成田空港の更なる機能強化が提案され、これに反発する極左暴力集団によるテロ・ゲリラの発生が懸念されています。

 世界中から多数の要人、選手団、観客等が集まる2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、県民生活の安全・安心の確保と大会の成功に向けて、関係機関との連携による空港・港湾における水際対策を推進します。

 また、爆発物原料取扱事業者に対する管理者対策や平成28年4月に設立した、恒久的なテロ対策の枠組みである「テロ対策ネットワーク・CHIBA」の活動を強化するなど、官民一体となった「日本型テロ対策」を推進します。

・東京オリンピック・パラリンピックに向けた「テロ対策ネットワーク・CHIBA」の活動の推進

・関係機関と連携した水際対策活動の推進

・不審情報の収集・分析と違法行為の取締りの徹底

・爆発物原料対策等の推進

・テロの未然防止に向けた広報啓発活動の推進

・テロを想定した訓練の実施

・空港等の重要施設に対する警戒警備の徹底

千葉港・木更津港テロ対策合同訓練

7 サイバー空間の安全確保

 悪質・巧妙化するサイバー空間の脅威に的確に対処し、サイバー空間の安全を確保するため、積極的な取締りを行うほか、最新の情報を取り入れた「ネット安全教室」を開催するなど、県民がサイバー犯罪の被害者にも加害者にもならないための啓発活動を推進します。

 また、県民のくらしに大きな影響を与えるサイバーテロが懸念されるとともに、過去にはオリンピック・パラリンピックの開催に関連してサイバー攻撃が発生しているため、重要インフラ事業者等に対するセキュリティ水準向上のための情報提供やサイバー攻撃の発生を想定した共同訓練を実施するなど、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、社会全体の対処能力を強化します。

・サイバー犯罪対策の推進

・ネット安全教室等による広報啓発活動の推進

・官民一体となったサイバーテロ対策の推進

・東京オリンピック・パラリンピックに向けたサイバー攻撃対策の推進

サイバー攻撃対策研修会

8 相談対応の充実

 県民の立場に立った相談対応の充実を図るため、相談内容に応じて関係する部門が緊密に連携して対応するなど、組織的な対応を強化します。

 また、女性の相談窓口では女性警察職員が相談に応じるなど、相談者の心情に配慮して、警察に相談しやすい環境の整備を図るとともに、関係機関と連携した相談者支援活動を推進します。

・警察に相談しやすい環境の整備

・関係機関・団体との連携強化による相談者支援活動の充実

・女性相談者等の心情に配慮した相談対応の推進

・相談に係る広報啓発活動の推進

相談業務相互支援ネットワーク意見交換会
女性相談者への配慮

9 DV・ストーカー防止と被害者支援の充実

 DV防止に向け、県民一人ひとりがDVに対する正しい理解と認識を深めるための広報・啓発や若者を対象とした予防教育に取り組んでいきます。

 また、県内各地域において、相談から自立に至るまでDV被害者の状況に応じた様々な支援が実施できるよう、市町村などの関係機関との一層の連携を図り、支援体制を強化していきます。

 さらに、DV・ストーカー事案は、事態が急展開して重大事件に発展するケースもあることから、加害者の検挙、指導・警告を早期に実施するほか、被害者等の安全の確保を最優先として、防犯指導や関係機関との連携による一時避難の支援などの保護対策を推進します。

・DVを許さない社会に向けた啓発・教育の推進

・安全で安心できる相談・一時保護体制の充実

・DV被害者の自立に向けた支援

・DV被害者の子どもの安全確保と健やかな成長への支援

・市町村におけるDV対策の促進

・DV被害者支援のための体制強化

・DV・ストーカー事案等への迅速・的確な対応

・DV・ストーカー被害者の保護対策の推進

DV防止街頭キャンペーン

10 県民生活を脅かす犯罪の徹底検挙

 安全で安心できる県民生活を確保するため、殺人・強盗・性犯罪などの凶悪犯罪をはじめ、侵入窃盗・自動車盗・ひったくりなどの悪質な窃盗犯や電話de詐欺など、県民生活を脅かす犯罪の徹底検挙に努めます。

 また、科学捜査力の強化に向けて、現場鑑識活動の強化や各種鑑定の積極的な実施に取り組むほか、優れた捜査官の育成や各種犯罪捜査支援システム等の捜査資機材の拡充を図るなど、捜査基盤の整備を推進します。

・凶悪犯罪の徹底検挙

・重要窃盗犯及び連続的に発生する窃盗犯捜査の推進

・「電話de詐欺」撲滅のための取締りの強化

・科学捜査力の強化

・捜査基盤の整備

地域に密着したパトロール

11 組織犯罪対策の強化

 本県には全国で最も多くのヤードが存在しており、その一部が盗難自動車の解体・不正輸出のための作業場となるなど、犯罪の温床となっています。こうした不法ヤードの解体に向けて、ヤードの実態解明に努めるとともに、各種法令を適用した取締りを推進します。

 また、暴力団による犯罪、薬物及び銃器の密輸・密売、来日外国人犯罪などの組織犯罪に対しては、犯罪組織の弱体化及び壊滅に向けた諸対策を推進します。

 さらに、社会全体での暴力団排除に向けて、暴力団排除活動を進めている地域、職域の活動を支援します。

・不法ヤードに対する取締りの強化

・暴力団の弱体化・壊滅に向けた取締りの強化

・社会全体での暴力団排除の推進

・総合的な薬物銃器対策の推進

・来日外国人による犯罪インフラと犯罪組織ネットワークの実態解明・解体

暴力団追放県民の集い

12 犯罪被害者等の支援の充実

犯罪被害者が再び平穏な生活を営むことができるよう、関係機関との連携を図りながら、必要な支援を行います。

 また、中学校や高等学校において犯罪被害者遺族等による講演会や犯罪被害者週間(11月25日から12月1日まで)に合わせ、「県民のつどい」を開催するなど、社会全体で被害者を支える意識の醸成を図ります。

 さらに、被害者支援に対する知識・技能を向上させるため、県及び市町村の相談関係機関の職員に対する研修会を開催します。

 また、性犯罪・性暴力被害者の方を支援するため、民間団体や関係機関等と連携した相談体制を整備します。

・経済的・精神的支援の充実による二次被害の防止・軽減

・社会全体で犯罪被害者を支える意識を醸成するための広報活動等の推進

・犯罪被害者週間「千葉県民のつどい」の開催

・性犯罪・性暴力被害者に対するワンストップ支援体制の整備

・犯罪被害者に対する相談体制の充実

・市町村・民間団体と連携した犯罪被害者等への支援

命の大切さを学ぶ教室
犯罪被害者週間「県民のつどい」

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