①自助・共助・公助が一体となった地域防災力の向上


【目標】自助・共助・公助が一体となった県内全域の防災力の向上を図ります。

■現状と課

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という観測史上最大の地震であり、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらしました。

 本県においても、死者22名、行方不明者2名、また、液状化による住宅被害は、約18,700棟にも及び、臨海部の石油コンビナートの火災なども含め、多くの人的・物的被害が発生しました。

 県では、この6年間、東日本大震災からの復旧・復興に向け、様々な取組を進めてきたところですが、「千葉県復旧及び復興に係る指針」に掲載された復旧事業がほぼ完了するなど、着実に進展しています。

 一方、平成28年4月14日以降に発生した平成28年熊本地震において、自治体支援の体制、避難所の運営の在り方など、多くの課題が浮き彫りになりました。

 また、国では今後30年の間に千葉県を含む南関東地域において、マグニチュード7程度の大規模な地震が70%程度の確率で発生すると予測しています。

 最新の科学的知見や過去の地震被害を踏まえ、平成28年度に県が公表した地震被害想定調査では、想定した「千葉県北西部直下地震」において、建物の全壊・焼失棟数は約8万1千棟、死傷者は約2万7千人など甚大な被害が予測されました。

 さらに、地球温暖化などの影響により、台風が強大化するとともに、局地的な集中豪雨の頻度が増大しており、風水害や土砂災害が増加し、被害も甚大化する傾向にあります。

 県は、自然災害や大規模事故から県民の生命・身体・財産を守り、被害を最小限にとどめるため、関係機関等と連携しながら、防災訓練や啓発活動など防災に関する施策を実施する責務を有しています。

 ■取組の基本方向

 東日本大震災の教訓を踏まえ、切迫する首都直下地震等の大規模地震を見据えながら、災害に強い千葉県づくりに向けて制定した「千葉県防災基本条例」に基づき、平時から正しい知識を持ち、災害発生時には、自ら考え行動できるようにする自助の取組と、地域における防災活動の中核となる人材を育成するなどの共助の取組を強化するとともに、県や市町村のほか防災関係機関は、県民の安全・安心を守るためにとり得る手段を尽くし、自助・共助・公助が一体となって、県内全域の防災力の向上を図ります。

 県民や自主防災組織等に対し、平時から備蓄を推進するよう働きかけるとともに、災害時に円滑な物資供給が行えるよう、民間物流事業者のノウハウ等を生かした物流体制を確保します。

 県は、様々な防災対策を講じる上で、高齢者、障害のある人又は外国人などの災害時における要配慮者及び避難行動要支援者や女性、今後増加が予想される観光客に配慮した対策を推進するとともに、市町村の避難体制の構築を支援します。

 帰宅困難者等対策として、事業者等の協力を求めながら、発災時の一斉帰宅行動の抑制や駅周辺ごとの実情に応じた対策を講じるとともに、救助・救急活動が落ち着いた後の徒歩帰宅支援の取組についても、更なる充実を図ります。

 津波に対しては、人命を最優先とし、避難を軸としたソフト対策とハード対策を組み合わせ、総合的な津波対策を推進します。

 東日本大震災では、東京湾岸の埋立地や利根川沿いの低地など広範囲にわたり液状化が確認されたことから、液状化に強いまちづくりに向けた取組を更に推進します。

 「消防学校・防災研修センター」については平成31年度の開設に向け、消防学校に、消防職員・消防団員の実戦的能力の強化を図るための教育訓練施設等を整備するとともに、防災研修センターにおける県民、自主防災組織や企業などを対象とする研修カリキュラムの策定等の取組を進めます。

 東日本大震災における石油コンビナートの大規模な火災など様々な事象への対応により得られた経験に加え、市町村が被災し、災害対応能力を喪失した場合でも、迅速で効果的な災害応急対策が実施できるよう体制の強化を図ります。

■主な取組

自助・共助の取組の強化

 地震・津波などの大規模災害から「命」を守るためには、「自らの身の安全は、自らが守る」自助の取組や、「自分たちの地域は地域のみんなで守る」共助の取組を更に促進し、これらを支える「公助」と一体化して地域防災力を向上させることが必要です。

 このため、県民、事業者、自主防災組織、県・市町村などの役割を明らかにした「千葉県防災基本条例」の理念に基づき、千葉県地域防災力向上総合支援補助金等により、自助・共助の防災意識を高める防災教育の推進や自主防災組織の結成・活動促進等に努め、県民一人ひとり及び地域コミュニティの防災力の強化を図ります。

・防災教育の推進

・災害対策コーディネーターの養成

・自主防災組織の結成・活動促進

・災害時における要配慮者及び避難行動要支援者対策の推進

・生活必需物資等の備蓄促進

自主防災組織の安否確認訓練

防災連携体制の充実強化

 県内で大規模な地震等による被害が発生した場合に備え、広域かつ柔軟な支援体制を構築します。大規模災害発生時に、迅速かつ的確な対応を図るためには、県、市町村、消防、警察等の防災関係機関はもとより、ライフライン事業者、物流事業者、交通事業者など、広く民間事業者等と連携した取組を推進することにより、被災者支援の対策を強化することが必要です。

 このため、市町村や防災関係機関、民間事業者との連携を充実強化し、大規模災害時に備えた体制強化に努めるとともに、定期的かつ効果的な訓練の実施などにより、実効性の確保及び向上に努めます。

平成28年熊本地震で課題となった避難所の運営や災害廃棄物処理計画策定の技術的な支援等、市町村のサポートを行うとともに、震災時における防災活動の迅速かつ円滑な実施を期するため、各防災機関相互及び地域の自主防災組織や住民との協力体制の確立に重点を置いた総合訓練や津波避難訓練、帰宅困難者対策訓練等の個別訓練を実施します。

 また、災害時における医療救護活動の拠点となる災害拠点病院の施設・設備整備を図るとともに、災害発生後の急性期(おおむね48時間以内)に医療救護活動を開始できる機動性を持った、災害派遣医療チーム(DMAT)の体制を強化します。あわせて、災害ストレス等により、精神保健医療への需要が拡大すると考えられることから、精神科医療救護や、精神科医等により組織される災害派遣精神医療チーム(DPAT)についても、新たな人材の養成や実践的な訓練に取り組みます。

 さらに、大規模災害発生時において救出救助活動等に必要な装備品の整備拡充を図ります。

・市町村、都道府県、民間事業者等との防災支援ネットワークの体制強化

・災害情報伝達機能の強化

・支援物資の供給体制の強化

・帰宅困難者対策の推進

・市町村の避難所運営に係る支援強化

・市町村の災害廃棄物処理計画策定への支援(再掲)

・市町村、県民、事業者、自主防災組織等が連携した実践的な防災訓練の実施

・災害派遣医療チーム(DMAT)及び災害派遣精神医療チーム(DPAT)の体制強化

・災害拠点病院の整備

・災害用装備品の整備拡充

九都県市合同での防災訓練
九都県市合同防災訓練時のDMATの様子

3 津波避難・液状化対策の推進

 県民や訪日外国人を含む観光客が津波から安全かつ迅速に避難できるよう、市町村の津波避難計画、津波ハザードマップの作成を支援するとともに、県としてもS-net(日本海溝海底地震津波観測網)の観測データを詳細な津波情報として沿岸市町村に配信していきます。

 また、市町村等に対する補助金を活用した避難誘導看板の設置や避難路の街路灯整備等により、津波対策の強化を推進します。あわせて、県がこれまでに作成した津波浸水予測図等を広報することで、県民の津波避難に対する意識向上に努めます。

 地震時の液状化被害を減少させるため、液状化メカニズムの解明を進めるとともに、平成28年度に作成した液状化しやすさマップや国等が研究している液状化対策工法の結果を広報することにより県民の液状化対策を促進します。

・県民や訪日外国人を含む観光客の津波避難対策の推進

・S-netを活用した沿岸市町村への津波情報の配信

・市町村の津波避難に関するソフト対策への支援

・液状化‐流動化現象の調査研究の実施

・津波避難・液状化対策に係る広報

4 消防・救急救助体制の充実強化

 地域における消防防災力の向上を図るため、消防の広域化の推進、消防共同指令センターの整備、市町村消防施設・設備の充実・強化、消防団員の確保や消防団の活性化等について、市町村と連携して取り組みます。

 また、近年の複雑多様化、大規模化する各種災害への対応や、救急救命措置・搬送の迅速・的確な対応など、新たな時代の要請に応えられる消防人材の育成を図るため、老朽化した消防学校の建て替えや防災研修センターの整備に取り組みます。

・地域における消防防災力の強化

・消防学校・防災研修センターの整備

5 石油コンビナート防災対策の推進

 石油コンビナート地区は、一たび事故が発生すると、極めて大規模な災害に拡大するおそれがあり、社会的にも経済的にも甚大な被害が懸念されます。

 そのため、県では、関係消防機関や海上保安部並びに石油コンビナート事業所や共同防災組織等と連携した各種訓練を実施するほか、「千葉県石油コンビナート等防災計画」の見直しなど、石油コンビナート地区の防災対策の強化を図ります。

・石油コンビナート等防災訓練の実施

・千葉県石油コンビナート等防災計画の見直し

石油コンビナート等防災訓練

6 事業者による防災対策の推進

 近年、頻発・激甚化する災害を踏まえ、地域防災力の向上を図るため、企業の事業継続計画(BCP)策定支援、自治体・県民・企業が連携した防災訓練実施など、事業者としての取組を明確化し、その促進に取り組んでいきます。

 また、災害時等に事業者・団体等の協力を得られるよう平時から協定の締結等を推進することにより、事業者との連携を強化していきます。

・協定締結による事業者との連携強化

・事業継続計画(BCP)策定の支援(再掲)

・事業継続計画(BCP)策定に向けた啓発活動(再掲)

・市町村、県民、事業者、自主防災組織等が連携した実践的な防災訓練の実施(再掲)

・石油コンビナート等防災訓練の実施(再掲)

・生活必需物資等の備蓄促進(再掲)

事業者との協定(減災リポート)

県民のみなさんが減災レポートとして投稿した身近な 気象の変化や被害状況などをインターネット上で共有し、個人や地域の減災に役立てることができます。

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