③ゾーンごとの方向性 ●南房総ゾーン

海と緑のやすらぎの空間の中で、充実した多様なライフスタイルの提供にチャレンジするゾーン

館山市、勝浦市、鴨川市、南房総市、いすみ市、大多喜町、御宿町及び鋸南町並びに市原市、君津市、富津市、一宮町、睦沢町及び長南町を中心とした地域

ゾーンの現状・特性

1 地域に暮らす人々

 この地域には、県人口の3.3%に当たる約20万人が居住しています。ゾーン内の総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合は39.1%で、県全体の割合と比べて10ポイント以上高く、最も高齢化率の高い地域となっています。

 ゾーン内の人口は、今後も減少していくことが見込まれていますが、高齢者人口の割合は、平成42年(2030年)においては46.6%と、引き続き、5つのゾーンの中で最も高いことが予想されています。

 また、労働力人口に対する一次産業就業者の割合が比較的多く、香取・東総ゾーンに次ぐ高さです。

 市町村別の昼夜間人口比率は平均95.7%となっており、地域内で活動している人の多い地域です。特に、居住する市町村内に通勤・通学する人の割合が6割を超えています。一方、東京への通勤・通学者の割合は3%以下で、県内で最も低くなっています。

2 産業

 沖合に黒潮が流れ、磯浜が続く恵まれた漁場を持っていることから、勝浦漁港、鴨川漁港、大原漁港など数多くの漁港が存在し、カツオ、アワビ、イセエビ等種類に富んだ水産物が水揚げされます。また、和田漁港を基地として全国でも数少ない捕鯨が行われています。

 農業では、水稲を中心に、花き、いちご、びわ、牛乳、タケノコなど温暖な気候や地形を生かした多彩な特産品が生産されています。

 変化に富んだ海岸線や緑豊かな丘陵地などの自然環境に恵まれ、多くの観光施設や宿泊施設などがある観光業の盛んな地域です。夏は海水浴、秋は紅葉狩り、冬から春にかけては花摘みやいちご狩りといった観光とともに、サーフィンやダイビングなど多様なマリンスポーツも楽しむことができます。

 また、道の駅や直売所が多数あり、特に道の駅では、地元で生産された農水産物やその加工品等の販売だけでなく、体験農業の併設などの工夫を凝らしており、観光スポットとしても魅力にあふれています。

 さらに、個人旅行客だけでなく、教育旅行や学生のスポーツ合宿など団体客の受け入れにも取り組んでいます。

 また、近年は、特に「食」による観光振興も盛んになっています。

3 まちづくり

 地域の気候や風土を生かした一年中花が楽しめるまちづくりや南欧風のまちづくりのほか、館山港多目的観光桟橋や渚の駅を中心とした、みなとまちづくりが推進されています。また、先進医療施設が立地していることから、「医療・介護」のまちづくりも進められています。こうした取組や、温暖な気候、海と緑に囲まれた自然環境などが魅力となり、首都圏における移住・定住先としての人気が高く、移住希望者への情報発信や、移住者の地域への定着を支援する取組も展開されています。

 今後は、アクアラインからつながる東関東自動車道館山線などの4車線化により、都心や京浜地区からの利便性が一層向上するとともに、圏央道から県内の各主要都市や観光拠点等を結ぶアクセス道路の整備により、県内各地域へのアクセスも向上します。

地域の主な方向性

海と緑のやすらぎの空間の中で、充実した多様なライフスタイルの提供にチャレンジするゾーン

 本地域では、温暖な気候や地形的な特徴を生かし、多様な農林水産業が展開されています。また、多くの観光資源に恵まれ、首都圏有数の観光・リゾート地として親しまれてきました。

 一方で、人口減少が続き、県内で最も高齢化率が高い地域でもあるため、農林水産業の担い手が不足しており、集落機能の低下、耕作放棄地や荒廃森林の増加、さらに、イノシシなどの有害鳥獣による農作物等への被害が拡大しています。

 また、生産年齢人口の減少に加え、労働条件や情報不足によるミスマッチの発生から、地域における人材確保も課題となっています。

 こうした中、アクアラインからつながる東関東自動車道館山線や圏央道などの広域的な幹線道路ネットワークの整備進展に伴い、高速バス路線も充実し、通勤・通学範囲が広がり、また、豊かな自然環境などが魅力となり、都市部に暮らす人々の移住先としての関心が高まっています。

 そこで、南房総地域への更なるアクセス強化を図るため、東関東自動車道館山線などの4車線化を促進するとともに、千葉東沿岸地域を結ぶ地域高規格道路の調査や国道128号、国道297号、国道410号、国道465号などの整備を推進します。さらに、これらの道路と主要な都市や観光地を結ぶ県道市原天津小湊線などの改良を進めます。さらに、日常生活はもとより、まちづくりや観光の基盤となる鉄道の利便性を確保していく必要があります。

 また、農林水産業の意欲ある担い手の確保・育成のための体制づくりの促進や鳥獣被害対策の実施に取り組むほか、6次産業化・農商工連携の促進、熱帯果樹などの新たな地域特産物の開発、観光・体験型農林漁業、いわゆるグリーン・ブルーツーリズムなどの取組を促進します。さらに、空き公共施設等を活用した企業誘致や起業支援、各種マリンスポーツやサイクリングをはじめとするスポーツツーリズムの取組を進めるとともに、企業との交流イベントや合同企業説明会等により、若者の地域への定着を図ります。また、行政、企業、地域住民が一体となったホスピタリティの醸成を図り、本地域を訪れる観光客や移住先として関心を持つ人々に対し、自然の中での安心子育てライフ、趣味やレジャーを満喫する二地域居住など、多様なライフスタイルを提案し、積極的に地域の魅力を発信していきます。

 今後も引き続き高齢化率が高まると推測されますが、気候が温暖で高齢者も生活しやすいことから、高齢者が働きやすい環境づくりを進め、シニアパワーを積極的に地域産業に活用するとともに、高齢者をターゲットとする医療・健康産業等の展開を促すことなどにより、地元雇用の拡大と生産年齢人口の増加につなげ、あわせて、人口減少・高齢化の中でも豊かに生活を維持できる地域としていくことが必要です。

 また、美しい自然、豊かな食文化、道の駅や直売所、レジャー施設や宿泊施設、医療施設等あらゆる地域資源の発掘、活用、連携により、観光と農林水産業を軸とした、この地域ならではの産業創出や、健康・環境といった成長分野での新たなビジネス展開、バイオマスや小水力発電などを活用した地域活性化への取組も期待できることから、企業や市町村等と連携・協力し、地域の可能性を広げていくことが重要です。

注)南房総ゾーンの「ゾーンの現状・特性」欄で数値を示す際には、次の市町村の数値を用いています。館山市、勝浦市、鴨川市、南房総市、いすみ市、大多喜町、御宿町、鋸南町

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