③ゾーンごとの方向性 ●圏央道ゾーン

圏央道開通効果を取り込み、多彩な産業展開により本県経済のけん引軸の形成にチャレンジするゾーン

木更津市、茂原市、東金市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市、山武市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町及び長南町並びに千葉市、成田市、八街市、富里市、匝瑳市、いすみ市、神崎町、多古町、芝山町及び大多喜町を中心とした地域

ゾーンの現状・特性

1 地域に暮らす人々

 本地域には、県人口の15.3%に当たる約95万人が居住しています。ゾーン内の総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合は28.3%で、県全体の高齢化率より高い数値となっています。

 ゾーン内の人口は、今後も減少していくことが見込まれていますが、高齢者人口の割合は、平成42年(2030年)においては35.8%と、引き続き県全体の数値(31.5%)を上回ると予想されています。

 労働力人口に対する一次、二次産業就業者の割合が県平均を超えて多くなっています。

 これまで、ゾーンの西部と東部の生活レベルでの交流は余り進んでいませんでしたが、圏央道の開通により、各々の生活圏の交流基盤が整備されました。

2 産業

 東京湾臨海部では、昭和30年代(1955年~)後半から埋め立てが本格化し、石油化学、鉄鋼、エネルギー等の日本を代表する工業地帯が形成されてきました。近年では、アクアライン着岸地周辺において、アクアライン料金引下げの効果もあり、大型アウトレットモールをはじめとする商業施設の集積が進んでいます。

 かずさDNA研究所をはじめとする研究開発施設や製薬、新素材など幅広い産業の集積が進む「かずさアカデミアパーク」のほか、内陸部の工業団地等には、電子機器や機械、化学等の企業が立地しています。さらに、新しい工業団地である「茂原にいはる工業団地」及び「袖ケ浦椎の森工業団地」への企業進出が期待されます。

 また、平野部を中心に稲作やトマト、メロン、キュウリ、花きなどの施設園芸が盛んな地域であり、地域ブランドの確立による販売促進など多様な取組が展開されるとともに、ゾーン西部では鶏卵や牛乳生産が盛んです。さらに、ゾーン中部から東部にかけては、スギ・ヒノキ等の森林資源を有しており、本県林業の中核を担っている地域でもあります。

 さらに、東京湾では、全国でも高品質で有名なノリの養殖や、貝類漁業が営まれています。

 観光面でも、海水浴やサーフィンのほか、潮干狩り、簀立すだて、観光地引網など海辺での体験型の観光や、いちご狩り、ぶどう狩り、ブルーベリー狩り、タケノコ掘りなど、農林水産業と連携した体験型の観光を楽しむことができるほか、自然体験型の遊園地、キャンプ場やゴルフ場などの立地に加え、湖・渓谷等での親水型レクリエーションが行えるなど、多彩な観光資源を有しています。

 また、丘陵地帯や九十九里浜沿岸には、ヨードを含む天然温泉が点在し、魅力ある宿泊施設も集積しています。

3 まちづくり

 ゾーン東部では、JR外房線、東金線、総武本線等の利用による千葉市や東京方面への通勤圏として、住宅地が整備されてきました。また、ゾーン西部では、近年、アクアラインを利用した京浜地域への通勤・通学圏としての優位性が高まっており、高い交流性を生かし居住機能や商業機能等多様な機能が集積するまちづくりが進められています。

 また、圏央道として松尾横芝インターチェンジから木更津ジャンクションまでが供用し、本ゾーンの骨格が形成されました。圏央道の整備効果を南房総ゾーンや香取・東総ゾーンへと波及させる上で重要な役割を担う、圏央道からアクセスする道路の整備も進展しつつあります。

 今後、圏央道の残る大栄・横芝間の1日も早い開通や暫定2車線区間の4車線化による機能強化、圏央道にアクセスする道路の整備などを着実に進めるとともに、2020年東京オリンピックのサーフィン競技開催に伴う競技会場の整備や成田空港の利便性の向上に伴う波及効果が見込まれます。

地域の主な方向性

圏央道開通効果を取り込み、多彩な産業展開により本県経済のけん引軸の形成にチャレンジするゾーン

 本ゾーンでは、これまで、地形的な要因や発展経緯などから、房総丘陵を境に東京湾側の地域と太平洋側の地域とに大きく分かれ、それぞれの特性を生かした産業や生活文化が育まれてきました。また、県政の推進に当たっても、主として同様の地域区分の下で施策展開が図られてきました。

 そうした中で、東京湾側の地域は、臨海部に素材系産業の集積が進み、本県工業をけん引する地域として成長してきました。一方、太平洋側の地域は、恵まれた自然環境の下で農林水産業が発達し、内陸部の工業団地等には組立加工型の企業の集積が進んできました。それぞれの地域に、通勤や通学、買い物など日常生活の核となる市が存在し、また、どちらの地域も千葉市や東京方面への通勤圏として宅地整備が進むなど、2つの地域の直接的な結び付きは、これまで決して強くはありませんでした。

 しかしながら、アクアラインからつながる圏央道の全線開通により、本ゾーンの骨格が形成されるとともに、成田・羽田両空港を結び、首都圏全体の産業振興や防災面で極めて重要な機能を果たす、新たな広域的な幹線道路ネットワークが形成されます。これは、企業立地の優位性を高め、地域の産業競争力の強化につながるとともに、生活圏の拡大や文化的交流の促進、さらには、広域的な救急医療体制の拡充などによりゾーン内の様々な連携を促し、地域の人々の生活に大きな影響を与えると考えられます。さらに、圏央道等によってもたらされる他地域からの人・モノの流れの波及効果も加わって、地域の持つポテンシャルを大きく高めることが期待されます。

 そのため、本ゾーンでは、地域が育んできた産業集積と、アクアライン・圏央道などによる広域的な交流機能を十分活用した地域振興策を進めるとともに、これまでの発展経緯や地域区分にこだわることなく、本ゾーンの資源の有機的な連携を促進し、本県経済のけん引役を目指していくことが求められます。

 そこで、圏央道沿線地域への産業の受け皿づくりや、物流や商業を含む幅広い企業立地の促進、農林水産業の生産力強化やマーケット需要に応じた力強い産地づくりを推進するとともに、6次産業化や農商工連携の促進による高付加価値化、耕作放棄地や鳥獣被害対策の実施、県産木材の建築物等への利用促進などに取り組みます。また、2020年東京オリンピックのサーフィン競技の開催に向けて、自然公園の整備等の競技会場の整備、会場周辺の交通ネットワークの強化・充実、外国人観光客の受け入れ環境の整備等に取り組みます。さらに、体験型観光、スポーツ観光等、多彩な自然環境や観光資源を生かした特色ある観光の仕掛けづくり等により、積極的に地域の魅力発信に取り組んでいきます。

 また、東京湾臨海部のコンビナート地帯は、本県の経済・雇用を支える重要な役割を担っておりますが、施設設備の老朽化や国内需要の低迷、国際競争の激化などの課題に直面する企業も多いことから、国や企業等と連携しながらコンビナートの競争力強化に向けてこれらの課題解決に取り組みます。

 さらに、圏央道の整備効果を地域全体でしっかりと受け止め、その効果を南房総ゾーンや香取・東総ゾーンへと波及させるため、圏央道から各地域にアクセスする銚子連絡道路、長生グリーンライン、千葉東沿岸地域を結ぶ地域高規格道路や国道297号、国道410号などの整備、さらには圏央道の追加インターチェンジの整備による道路ネットワークの充実を図るとともに、圏央道の全線開通、さらには4車線化整備が図られるよう努めていきます。あわせて、アクアライン・圏央道により近隣都県や成田・羽田両空港との時間的距離が短縮された優位性を発揮し、企業立地を促進するとともに、広域的な観光ルートづくりなどにより、国内外からの観光誘客を促進するなど、ハード・ソフト両面で、ゾーン内外の広域的な交流・連携を促していきます。

注)圏央道ゾーンの「ゾーンの現状・特性」欄で数値を示す際には、次の市町村の数値を用いています。木更津市、茂原市、東金市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市、山武市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町

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