第4節 県づくりの方向性

➊県づくりの基本的な考え方

 本県は首都圏の成長とともに発展を続け、東京に近い地域では、宅地供給による人口増加や商工業の集積が進み、また、東京湾臨海部には我が国を代表する工業地帯が形成されてきました。そうした中で、県では、首都圏の業務機能の一翼を担う拠点として「成田国際空港都市」「柏・流山地域」「幕張新都心」「かずさ地域」(以下、「拠点都市」という。)のまちづくりを進め、地域振興を図ってきました。

 さらに、県内の高規格幹線道路等の整備が着実に進められており、特に、アクアラインと一体となってつながる圏央道の全線開通や4車線化の整備進展により、成田・羽田両空港の連携が強化され、本県だけでなく北関東や東北まで及ぶ広域的な幹線道路ネットワークが構築されます。また、外環道の開通や北千葉道路の整備により、県北西部の慢性的な交通混雑の緩和と、首都圏各地とのアクセスが強化され、この地域の交流拠点としての機能が一層向上し、首都圏における本県の役割が一層高まるものと期待されます。

 こうした広域的な幹線道路ネットワークの形成を通じて、県内の「拠点都市」の業務機能を全県的な活力の向上につなげるとともに、国内外との交流・連携を見据え、広域的な幹線道路ネットワークを更に強化する東関東自動車道館山線などの4車線化、圏央道から県東部・南部沿岸地域へとつながる地域高規格道路などを整備することによりアクセスの強化を図ります。さらに、県内各地域を結ぶ主要な国道・県道の整備を進め、人・モノの流れをスムーズにし、経済の活性化を目指します。

 本県は、東京圏に位置しながら、豊かな自然環境に恵まれた地域や、魅力ある観光地を多く有しています。また、歴史的経緯の中で、買い物や通学など地域の人々の日常生活において周辺地域からの求心力があり、地域の生活の拠点となっている、個性ある都市があります。こうした多様性を持った地域が、産業基盤や農林水産物、観光資源といった自らの資源に磨きをかけるとともに、県内外との交流機能の高まりを生かし、地域産業の活性化や雇用の場の創出、交流人口の増加を図り、地域の活力を確保していくことが必要です。

➋地域の方向性

 本県では、自然環境や地理的条件、歴史的経緯などによって、地域ごとに特徴ある産業や文化が育まれ、それぞれに個性ある地域が醸成されてきました。地域は、そこで暮らす人々の生活のステージであり、安心して心豊かに暮らせる地域をつくることは、県や市町村の大切な責務です。

 現在、県内各地域は、少子高齢化の進展、産業構造の変化、国内需要の低迷などの影響を受けているほか、中・長期的な人口減少の局面に差し掛かっています。こうした状況は、全ての地域に共通していますが、その内容は決して一律ではなく、地域ごとに異なる対応が求められています。また、地方分権の進展に伴い、地域の自主性・自立性がこれまで以上に必要となる中で、それぞれの地域が自らの資源を最大限に活用し、創意あふれる地域づくりを進める地方創生の取組が本格化しています。

 地方創生の取組を進めるためには、住民の生活に密着した市町村の役割が重要です。県は「くらし満足度日本一」の実現に向け、市町村が取り組む、地域の課題を踏まえた意欲と創意工夫による地域づくりを広域的な立場から支援するため、各地域をどのように捉え、また、今後、どのような強みを活用して、どのように可能性を広げていくかという、各地域に対する方向性を示しました。

 これにより、県内各地域の特性や可能性についての認識を、市町村・県民・市民活動団体・企業・大学など多くの方々と共有し、県と市町村が自立と信頼に基づく適切な役割分担の下で、これまで以上に緊密な連携を保ちつつ、多様な主体が連携・協働して取り組む、地域の強みを最大限に発揮させる地域づくりを促進し、子どもたちが「この地域に生まれて本当に良かった」と、心から「誇り」と「自信」を持てるような地域の形成を進めていきます。

①地域の方向性を示すための視点

●特性・強みを生かした地域づくり

 本県は、首都圏にありながらそれぞれの地域に人々の生活とともに育まれてきた豊かな自然があり、地域ごとに独自の歴史や文化、産業が形成されてきました。各地域では、地方創生を背景に、これら地域の資源を生かした産業や観光の振興をはじめ、移住・定住の取組など、創意工夫にあふれた地域振興の取組が進みつつあります。

 こうした地域の特性や強みを生かした取組を更に促進し、地域内外への魅力発信を一層推進することで、価値観やライフスタイルの多様化に応え、住んでいる人にも訪れる人にも愛され、大切にしたいと思われる地域を目指すとともに、人口減少社会においても地域の活力を高め、持続可能な地域の発展を実現していきます。

●連携・協働による地域づくり

 地域資源を磨き上げ、地域の魅力を顕在化するためには、行政、企業、市民活動団体などが、連携・協働して地域づくりに取り組むことが大切です。

 また、多様化・複雑化する住民ニーズに対し、1つの市町村では対応しきれない場合であっても、共通する課題や補完しあう強みを持つ市町村同士が連携することで、効果的な対応が期待できる場合もあります。

 そこで、地域の多様な主体の連携・協働による地域づくりや、市町村同士の連携・協力による広域的な取組を促進し、住民サービスの向上と地域振興を目指します。

●拠点の成熟と広域的な道路ネットワークを生かした地域づくり

 広域的な幹線道路ネットワークの整備進展は、本県の新たな強みとなりつつあります。さらに、成田空港の機能拡充や、圏央道の整備進展は、本県の持つ多様性をアピールし、特性・強みを生かした地域づくりを広げる絶好のチャンスです。

 県内の多様な地域間における交流と、これまで整備を進めてきた4つの拠点都市における機能集積や成熟したまちづくりの効果を県内各地域に波及させていくとともに、世界や東西日本の結節点として、より広域の交流も目指し、広域的な幹線道路ネットワークとこれにアクセスする道路の更なる整備を進め、県内各地域はもとより、国内外へ人・モノ・財の流れを活性化させることを目指します。

②特性・可能性を踏まえた5つのゾーン

 地域の方向性を示すに当たっては、県内各地域の人々の生活に着目して、共通する特性を持つ地域や日常生活での地域間のつながりを把握した上で、地理的条件、交通網整備の状況、地域の今後の可能性等を勘案して、次のとおり、「特性・可能性を踏まえた5つのゾーン」を設定しました。

 そして、ゾーンごとに記載した「地域の主な方向性」の中で、今後、市町村・県民・市民活動団体・企業・大学などとの連携・協働により進めていく取組を示すこととしました。

〔各ゾーンはおおむね次のような地域を想定しています。〕

東葛・湾岸ゾーン

千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市及び浦安市並びに市原市、四街道市、白井市、八街市及び長柄町を中心とした地域

空港ゾーン

成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町及び芝山町並びに八千代市、香取市、山武市、神崎町、多古町及び横芝光町を中心とした地域

香取・東総ゾーン

銚子市、旭市、匝瑳市、香取市、神崎町、多古町及び東庄町並びに成田市、芝山町及び横芝光町を中心とした地域

圏央道ゾーン

木更津市、茂原市、東金市、市原市、君津市、富津市、袖ケ浦市、山武市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町及び長南町並びに千葉市、成田市、八街市、富里市、匝瑳市、いすみ市、神崎町、多古町、芝山町及び大多喜町を中心とした地域

南房総ゾーン

館山市、勝浦市、鴨川市、南房総市、いすみ市、大多喜町、御宿町及び鋸南町並びに市原市、君津市、富津市、一宮町、睦沢町及び長南町を中心とした地域

注)
1.人々の生活や企業の経済活動等は、市町村の枠にとらわれずに展開されていることから、ここで示すゾーンは、市町村域と必ずしも一致するものではありません。また、1つの市町村が複数のゾーンの特性を併せ持つ場合もあります。
2.地域のつながりは、社会経済情勢や交通・情報網の整備等により変化することも十分想定されることから、ゾーン設定は重層的かつ弾力的なものとなります。
3.行政各分野における個別計画の策定やサービスの提供に当たっては、このゾーン設定にかかわらず、それぞれの観点から圏域設定を行う必要があります。
4.このゾーンは、市町村間の自主的な連携を妨げるものではありません。
5.人口に関する数値は、「平成27年国勢調査」のデータを用いています。ただし、将来推計人口については、平成29年度に県が行った将来人口推計のデータを用いています。

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