第3節 基本目標・目指す姿

 基本理念の実現に向け、第2章前半の本県を取り巻く「時代背景と課題」を踏まえた上で、「くらし」「子ども」「経済」というキーワードに着目し、次のとおり3つの基本目標を設定しました。これに沿って、おおむね10年後(平成32年度)の千葉県の具体的な姿を示すとともに、その目標を設け、本県が進むべき方向を明らかにします。

Ⅰ 「安全で豊かなくらしの実現」

Ⅱ 「千葉の未来を担う子どもの育成」

Ⅲ 「経済の活性化と交流基盤の整備」

【目標】

 具体的な数値目標として、県内にずっと住み続けたい県民の割合が、平成32年度において85%を超えることを目指します。

(参考:平成21年度77.7%、平成24年度78.1%、平成28年度80.6%。千葉県「県政に関する世論調査」)

 災害に強く、事件や事故が起こりにくい、安全で安心して暮らせる地域社会づくりが確実に進んでいる。

 また、安心できる医療体制の整備、充実した福祉サービスの提供、生涯を通じた健康づくりや地域コミュニティの再生が図られ、健康で生き生きと暮らせる地域社会づくりが着実に進んでいる。

 さらに、多くの県民がスポーツや文化・芸術活動に親しみ楽しむことができるとともに、国際交流が盛んに行われるなど、心豊かで元気に暮らせる地域社会づくりが進んでいる。

 そして、環境保全と再生に取り組み、千葉の豊かな自然が子どもたちに継承されている。

➊自助・共助・公助でつくる災害に強く様々な危機に対応できる地域社会

①県民一人ひとりが、防災に対する正しい知識を持ち、災害発生時には自らが考え、適切に行動する力を備え、その重要性を理解するなど自助の考え方が浸透している。

②大地震や台風、暴風雨などによる被害を最小限にとどめるため、行政において危機管理体制がより充実し、インフラ整備・改修が進むとともに、万が一、災害に遭ったときでも、地域住民同士が声をかけ、助け合える共助の精神とこれらを支える公助により、安心して暮らすことができる地域社会が形成されている。

③新型インフルエンザ等の感染症、武力攻撃やテロなど県民の安全・安心を脅かす事態に対して、迅速かつ的確に対応できる危機管理体制が確立されている。

➋治安が行き届き、安全で安心して暮らせる地域社会

①県民一人ひとりがしっかりと防犯意識を持ち、行政や地域が一体となって犯罪のない地域社会を目指す本県の取組が、全国モデルになっている。

②県民一人ひとりが交通ルールやマナーを守り、歩道や自転車通行環境の整備、交差点の改良などが進み、歩行者、自転車、自動車が共に安全に安心して通行できる社会になっている。

③災害、犯罪、交通事故などに対して、市町村・学校・消防・警察などの関係機関との相互の連携が図られ、迅速な対応ができる体制が整っている。

④テロなど県民の安全を脅かす事態が発生した場合において、迅速かつ的確に対応できる体制が整っている。

⑤消費生活に関する教育の機会や情報が十分に提供され、身近に相談できる窓口が整い、消費者が、商品やサービスを適切・合理的に選択できる体制が整っている。

⑥県内で流通する食品に関して、正確な情報が提供されるなど、消費者と生産者・事業者との信頼関係を築くための体制が構築されている。

➌健康で生き生き暮らせる地域社会

①県内医療機関のネットワーク化が図られ、いつでも、どこでも、誰もが安心して治療を受けられる医療体制が整っている。

②県民一人ひとりの健康に対する意識が高まり、自発的な健康づくりが行われている。

③介護予防の取組が進むとともに、細やかな介護サービスが提供され、高齢者が元気に生活できる環境が整備されている。

④障害のある人がその人に合った福祉サービスを選択しつつ、地域社会の中で人々と共生し、その人らしく暮らせる環境が整備されている。

⑤地域コミュニティが再生され、地域住民が互いに支え合いながら、生き生きと安心して暮らしていける地域づくりが着実に進んでいる。

➍心豊かに元気に暮らせる地域社会

①行政主導の国際協力活動だけでなく、民間や個人が主体的に参加するような、県民主体の国際交流や国際協力が活発に行われ、草の根レベルのパートナーシップが築かれている。

②グローバル化が進む中で、医療、教育、住宅など、生活に密着した分野で、外国人にも住みやすい県として、首都圏に勤務する外国人の転入が増えている。

③多くの県民が日常生活の一部として運動に親しみ、体力の向上が図られており、また、文化にふれ、心豊かに暮らす人が増えている。地域には活気があふれ、「元気な千葉県」として知られている。

④高い目標を持ってスポーツや文化・芸術活動に取り組み、全国的に活躍している人が増えている。

⑤県内各地に伝えられてきた伝統文化が継承され、その文化が多くの人との交流を生み、更に新しい現代的な要素が取り入れられるなど、ちば文化の魅力が増している。

⑥日本遺産に認定された文化資源等が、まちづくりや観光、産業振興等に生かされている。

⑦県民の県内交流が積極的に行われ、県民一人ひとりが、様々な千葉の魅力を再発見することにより、千葉県に愛着や誇りを感じられるようになっている。

➎豊かな自然を継承し、持続的に発展できる地域社会

①県民・企業・行政が一丸となった低炭素社会の実現に向けた取組が進んでいる。

②県民・企業・行政が一体となって廃棄物の発生抑制や再使用、リサイクルに積極的に取り組み、限りある資源を有効に活用している。

③産業廃棄物の新たな不法投棄がゼロになっている。また、土壌等の汚染や崩落等の災害がなく適切に建設残土や再生土の利用がされている。さらに、自動車リサイクル法など各種法令に違反した行為が行われている、いわゆる不法ヤードが一掃されている。

④子どもから大人まで、多様な生き物のにぎわいと互いのつながりを身近に感じ、本県のすばらしい自然の恵みに支えられ暮らしている。

⑤本県の豊かな自然が、県内外の多くの人の憩いの場として、また農林水産業など経済活動の場として、しっかりと子どもたちに引き継がれている。

⑥青い空ときれいな空気に包まれたくらしが営まれている。

⑦河川・湖沼・海域の水環境が良好である。

⑧豊かな生態系と生物多様性が維持されるとともに、有害鳥獣が適正に管理され、人と野生生物が適切に共存している。

 

 子育てに必要な多様なサービスが提供され、地域全体で子育てを支援する体制づくりが進み、安心して子どもを生み育てられる地域社会づくりが着実に進んでいる。

 また、家庭・学校・地域が一体となり、心が豊かで、身体が健やかに育ち、郷土と国を愛し、個性輝く子どもたちが地域社会に元気と活気を与えている。

➊安心して子どもを生み育てられる地域社会

①保育所等の待機児童が解消され、多様な保育ニーズに対応した安心して任せられる保育サービスが展開されている。

②就労などにより、保護者が昼間家庭にいない小学生の児童が、放課後を安心して過ごすための、適切な遊びや生活の場が確保されている。

③子育て世代の経済的負担が軽減され、妊娠期から子育て期までの一貫した相談支援など地域社会全体で子育てを支援する体制が整備されている。

④児童虐待に迅速に対応できる地域ネットワークが整備されているとともに、虐待などを被った児童の受け皿となる里親や児童福祉施設が確保されている。

➋郷土を愛し自立した健康な子どもの育成

①学校や地域における様々な体験を通じて、子どもたちが高い道徳性や豊かなコミュニケーション能力を身に付けている。

②身近な地域の歴史や伝統文化に親しみ、郷土と国に誇りと愛着を持った子どもが育っている。

③全ての子どもたちが基礎的・基本的な知識・技能を身に付け、自ら考え、表現し、問題を解決する力を伸ばしている。

④子どもたちが早寝早起き、食事、運動などバランスのとれた生活習慣を身に付け、健やかな体が育まれている。

⑤子どもや若者が生まれてきてよかったと思える自己肯定感にあふれている。

⑥子育てや家庭教育に悩んでいる保護者が気軽に相談できる環境が整い、家庭の教育力が高まっている。

⑦子どもや若者が健やかに育つための地域コミュニティが形成され、地域には元気で明るい挨拶の声が響き、家庭・学校・地域が一体となって、子どもや若者の成長を支えている。

⑧子ども一人ひとりの個性が輝き、希望や能力を引き出すことができる学習環境が整っている。

⑨子どもたちがいじめや暴力などに悩むことなく学校に楽しく通い、子どもや保護者などからの学校への信頼が高まっている。

⑩障害のある子どもたちへの理解や支援が広がり、障害のある子どもたちと障害のない子どもたちとが、地域で共に学び、子どもたちの笑顔があふれている。

⑪ニートや引きこもり、不登校だった子どもや若者たちが、周りの温かい支援によって、生き生きと勉強や仕事に取り組んでいる。

⑫子どもや若者を取り巻く有害な環境をなくすための取組が、地域全体で進められている。

 

 本県の持つ宝・ポテンシャルを最大限に生かして、光り輝く千葉の魅力を国内外に発信し、多くの人が訪れ、地域が活性化している。

 また、産学官のネットワークにより新事業や新産業が生み出されるとともに、中小企業などの経営基盤が一層強化されることにより、挑戦し成長し続ける産業活動が行われ、経済が活性化している。

 さらに、全国屈指の農林水産業が、地域を支える力強く魅力ある産業に育っている。

 そして、成田国際空港都市や幕張新都心など、活力ある都市が形成されるとともに、誰もが住みたくなるようなまちづくりが着実に進んでいる。

➊国内外の多くの人々が集う魅力ある地域社会

①成田空港が羽田空港と、より短時間で結ばれ、一体的な活用が進み、成田空港は、アジアのゲートウェイとして多くの利用客でにぎわいを見せ、国際的な交通ネットワークの一大拠点になっている。

②アクアラインと圏央道が一体となって機能し、広域的な幹線道路ネットワークの整備が進むことにより、首都圏の人・モノの流れが大きく変わり、企業誘致が進み、観光客が大幅に増えるなど地域が活性化している。

③アクアラインの料金引下げの継続や、圏央道や外環道が全線開通することで、首都圏の一体性が更に増して、週末や長期の休暇を利用して本県の豊かな自然や農作業・スポーツといった趣味を満喫する人が多く見られるようになっている。また、良好な住環境や本県に居住することで実現できるライフスタイルなどを求めて、県外から転入する人が増えている。

④千葉の豊かな自然、名所・旧跡や祭りなどの文化、さらには農林漁業体験など、千葉の魅力が国内外に発信され、様々な目的を持った観光客・来訪者が、県内各地で一年を通じて訪れている。

➋挑戦し成長し続ける産業

①京葉臨海コンビナートの競争力の強化が図られ、引き続き本県経済をけん引している。

②地域の強みや特徴を生かした産業が活性化するとともに、地域内外の産学官のネットワークが強化され、我が国の経済をリードする新事業・新産業が創出されている。

③本県で生み育てられた独自の技術や新しいビジネスモデルを基に発展したベンチャー企業が、継続的に生まれ成長することにより、新しい価値を創造し続けている。

④県内の中小企業が自らの特徴を生かした事業を強化することによって、力強い産業活動を展開している。

⑤新興国の台頭など、世界経済の変化を好機と捉え、県内に立地している企業が新商品の開発や販路拡大に果敢に挑戦し、経済的な活力が増している。

⑥地域の顔である中心市街地や商店街では、後継者が育ち、さらに新たに店を開いた人たちが定着して活気が戻り、ユニークなイベントも行われるなど、かつてはシャッター通りと呼ばれた場所が、にぎわいに満ちている。

⑦県内の特色ある農林水産物などの地域資源を生かした新商品が数多く生み出され、県内はもとより全国に向けて販売され、優れたブランドになっている。

➌働く希望や多様な働き方がかなう社会

①出産・育児などライフステージに応じた自由かつ多様な働き方を選択することができる。

②仕事と家庭を両立した働き方ができる職場環境が定着し、自ら家事・育児を行う男性が増えている。

③県の産業の持続的な発展の下で、年齢・性別・障害の有無などにかかわらず、県民がその持てる意欲と能力を発揮して明るく働いている。

➍地域を支える力強い農林水産業

①県内各地の生産地で、消費者ニーズを踏まえた県産農林水産物の販売促進と戦略的な輸出拡大が展開されている。また、優れた経営感覚を持った生産者が、所得を増やし、本県の農林水産業が若者にとっても魅力がある力強い産業に育っている。

②千葉県産農林水産物の良さが、県民をはじめ国内外の消費者に浸透し、食卓には千葉県産の野菜や果物、米、魚、肉、牛乳などの食材や色鮮やかな花が並べられている。

③ロボット技術・ICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業「スマート農業」が展開されている。機械化・省力化技術が普及し、ねぎ・さつまいも・だいこんなど露地栽培で大規模な農業が行われているとともに、野菜・花の栽培の施設化、植物工場での生産、高収益農業が展開されている。さらに、企業的経営が進み、これらによる雇用の増加などが地域の活性化に役立っている。

④農地の集積、集約化が進み、低コストで生産された千葉県のおいしい米が人気を博している。一方、水田を活用した家畜の飼料の生産も進み、国産飼料に立脚した畜産経営が展開されている。

⑤県民が積極的に森林づくりに参加し、里山を中心とした美しい景観が保全されるなど、かけがえのない県民共通の財産として豊かな森林が育まれている。さらに、森林の恵みである県産木材が住宅や公共施設など身近なところで利用されている。

⑥稚魚の放流、魚の住みやすい環境づくり、水産資源を計画的に利用する漁業の実施により、海・川が豊かになっている。また、地域資源を活用したブランド化や生産・加工技術の更なる進展により、ニーズに対応した質の高い水産物を安定して供給し続けることのできる水産業が展開されている。

⑦地産地消や食育の浸透などにより、都市と農山漁村の交流が進み、都市居住者が週末に農山漁村地域を訪れるなど、にぎわいのある農山漁村が形成されている。

⑧首都圏の台所を担う本県の農林水産業は、消費地への輸送距離が短いため、地球温暖化防止に貢献する産地として評価が高まっている。

➎誰もが住みたくなるようなまちづくり

①圏央道、外環道、東関東自動車道館山線、北千葉道路などの高規格幹線道路等の開通や4車線化の整備が進み、成田空港へのアクセス強化や県北西部の交通渋滞が緩和されている。また、主要な国道・県道の整備により、県内の更に多くの地域からおおむね1時間で県都千葉市に到達できるようになっている。

②地域のことは地域で考え、決定・解決しようという意識が醸成されている。その結果、地域の創意工夫を生かした取組が活発に行われるようになり、地域に活力が生まれている。

③地域の人たちが力を合わせて、その地域の特性を生かしながら活性化に取り組み、他地域と競い合っている。

④中心市街地に活気とにぎわいが戻り、多様な価値観やライフスタイルに対応した居住環境の中で、人々が生き生きとしたくらしを営んでいる。

⑤コンパクトでバリアフリー化されたまちづくりが進み、障害がある人も、高齢者も、誰もが安心して住むことができ、快適なくらしを楽しんでいる。

⑥住民自らが周辺の環境と調和した美しい街並みづくりに参加したり、緑豊かな自然を身近に感じたりすることができる公園・緑地などで余暇を過ごすなど、県民がゆとりを持って地域のくらしを楽しんでいる。

⑦県や市町村への申請、交付、手数料の支払などが24時間365日、家庭や事業所からパソコンのほかに携帯電話やテレビなどを利用して簡単に行えるようになるとともに、引っ越し時に、電気・水道・ガスなどの転入出の手続がまとめてできるワンストップサービスが実現している。

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