5 環境保全・持続可能性

①地球温暖化に対する取組

地球の平均気温は、上昇し続けており、干ばつや海面上昇による被害の深刻化など、地球温暖化の影響が既に現れ始めています。今後、更に気温が上昇した場合は、大規模な水不足や食料不足が各地で発生し、また、気候システムが地球規模で大幅に変化することが予測されています。

地球温暖化の問題に全世界の人々が一丸となって対応していくため、世界の全ての国と地域が参加し、「パリ協定」が2016年11月に発効しました。

国では「2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比26%削減する」という目標を掲げています。目標達成のためには、再生可能エネルギーの導入や、省エネルギーの促進など、県民、企業、行政など全ての主体が一体となって地球温暖化対策に取り組んでいかなければなりません。

銚子地方気象台における年平均気温の長期変化

資料:東京管区気象台「気候変化レポート2015」

②循環型社会の構築

大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会から循環型社会への転換に向けた取組は、3Rの推進や個別リサイクル法の整備等により、一般廃棄物の排出量の減少など、一定の成果が見られています。

本県の平成26年度の一般廃棄物の「ごみ」のリサイクル率は、22.8%と全国平均(20.6%)を上回っています。一方、県民一人1日当たりの家庭系ごみの排出量は529グラムと、全国平均(521グラム)とほぼ同様の水準となっており、依然として多くの「ごみ」が排出されています。

平成26年度の産業廃棄物の排出量は、2,112万トンであるものの、減量化や再生利用により、最終処分量は28.7万トン(排出量の1.4%)となっています。今後、2020年東京オリンピック・パラリンピックに関係するインフラ整備や高度経済成長期の建造物の建て替えなどにより排出量の増加が予想されています。

持続可能な循環型社会を構築するためには、廃棄物を貴重な資源やエネルギー源として一層有効活用して、枯渇が懸念される天然資源の消費を抑制していかなければなりません。

特に、発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)の「2R」を一層推進することが重要です。

公共の建築物や土木構造物については、予防的な修繕により長寿命化を図るとともに、これらの工事により大量に発生するアスファルト・コンクリート塊やコンクリート塊などの建設廃棄物の再資源化や縮減を推進していく必要があります。

県民一人1日当たりの家庭系ごみの排出量と県内の一般廃棄物のリサイクル率の推移

資料:千葉県

③産業廃棄物の不法投棄の防止

産業廃棄物の不法投棄は、土壌・水質汚染など、環境に深刻な影響を及ぼします。

平成27年度の本県の産業廃棄物の不法投棄量は、ピーク時(平成11年度)の約160分の1まで減少しましたが、依然、小規模でゲリラ的な不法投棄は後を絶ちません。また、今後は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに関係するインフラ整備や高度経済成長期の建造物の建て替えなどによる廃棄物の排出量の増加に伴い、不法投棄の増加が懸念されています。

このため、県民・事業者・市町村などとの連携を更に強め、不法投棄を根絶しなくてはなりません。

④良好な大気・水環境の保全

高度経済成長期に工場が集中して造られたことなどに伴って、大気汚染や水質汚濁が進み、大きな社会問題となりましたが、県民・事業者の取組や首都圏の各都県などとの連携した取組などにより、現在は改善の傾向にあります。

しかし、光化学スモッグ注意報の過去10年間の平均発令回数は、10.9日と依然多い状況にあるとともに、大気中に浮遊する微小粒子状物質(PM2.5)への対応など新たな課題も生じています。

また、水質の環境基準達成率(BOD、COD)は、平成27年度の測定結果で74.1%と全国の環境基準達成率91.1%を下回っています。特に、印旛沼・手賀沼などの湖沼で、環境基準が依然として達成されておらず、東京湾では、赤潮・青潮が引き続き発生している状況です。

きれいな空気と水に囲まれた千葉県の実現を目指し、事業者とともに、県民一人ひとりが、より一層環境にやさしい取組を学び、実践していく必要があります。

⑤豊かな自然環境の保全

緑豊かな房総丘陵、九十九里浜をはじめとした美しい海岸線、様々な動植物が生息・生育する里山・里海など、本県の豊かで多様な自然環境は、生活の基盤として、また憩いの場として、県民のみならず、本県を訪れる多くの人に潤いと豊かさを与えてくれています。

近年では手入れされない里山や耕作放棄された農地が県内で増加しており、身近に見られた生き物が減少するとともに、雨水を一時的に貯め込み地下に浸透させる洪水防止機能や水源かん養機能等が低下するなど、私たちの生活にも影響を及ぼしています。

地球温暖化が進むことにより、生物多様性の劣化や生態系の破壊のリスクが高まると予測されています。

本県の豊かな自然環境を、県民・企業・行政など様々な主体の取組により、次世代の子どもたちに引き継いでいかなくてはなりません。

千葉県の耕作放棄地面積の推移

資料:農林水産省「農林業センサス」

⑥野生生物の保護と管理

都市化の進展や地球温暖化の進行などにより、絶滅が危惧される野生生物種の数が増えています。

一方、人間の手によって県内に持ち込まれたアカゲザル、カミツキガメ、キョンなどの外来生物が、自然環境に適応して増加しており、生態系や生活環境に悪影響を与えています。

また、捕獲の担い手の減少や耕作地の放棄等により、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなど野生鳥獣の生息数が増加するとともにその生息域が拡大しているため、農作物等の被害が深刻化し、生活被害も発生しています。

このため、野生生物の保護と適正な管理を推進し、人と野生生物とが適切に共存する環境づくりを推進する必要があります。

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